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2月29日 感話【青木香奈子先生】

2016.03.14更新

 

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2月29日(月)本日の感話は青木香奈子先生でした。先生は祖母の戦争体験についてお話をしてくださいました。
広島で生まれ育てば、身近に体験者がいなくても、語り部の方に戦争中の暮らしのことを聞く機会は多くありますが、大人になるにつれ、耳にすることは自発的に意識しないとめっきり減ってしまいます。
私の母方の祖母は終戦が17歳。つまり、ちょうどみなさんの年齢、青春時代が戦争中です。戦争中のことを知らないといけないと思っていた私は大学生のときから毎年8月6日に祖母の家に寄り、一人にしないという取り組みを始めました。祖母とは、その日は必ず、戦争当時の話になりました。
当時の祖母は女学生でしたが、学校に勉強をしに行くのではなく、仕事をする日々でした。原爆投下時、家に居り無事でしたが、祖母の母や一番下の妹は皮膚がはがれてたれているなど、見るに耐え難い大怪我をして別人のようになって帰ってきました。そこからは必死に看病をしましたが、妹は亡くなってしまったそうです。
ただ普通に生活をする1日が、かけがえのない、ありがたい幸せな1日。そのことを日々の暮らしの中で忘れがちですが、それを手に入れることが困難だった時代を生きてきた人から言われると、とても重みがありました。
今日は、戦争についての話をしましたが、それに限るわけではありません。皆さんも自分より長く生きている人たちの様々な人生を聞いてみてはいかがでしょうか。それが楽しい話でも、辛い話でも、きっと自分の人生を耕す糧になると思います。私たちは恵まれている時代に生きています。だからこそ、一層、より謙虚に、傲慢になることなく、周囲の人や物、全てを大切に、思いやりをもって生きなければならないと思います。そういうことをきちんと積み重ねて年をとれば、きっと老後も笑顔あふれる場所に自分がいられるのではないかなと、これは希望ですが思います。
お互い、素敵なおばあちゃんを目指して、生きてみませんか?

進徳を知ろう・見よう・体験しよう。