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進徳女子高等学校からのお知らせ

2月27日(月)感話【原田先生】

2017.2.28 〇 17:12

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 2月27日(月)、本日の感話は原田先生でした。先生には、広島に住む高校生として、そして将来母親になる一人の女性としてぜひ知って、後世に伝えて欲しいと本の紹介をしていただきました。

 1冊目は話題のこうの史代さんの「この世界の片隅に」です。この作品は広島と戦争がテーマになっています。この作品に興味を持ったのは、自分の母とこの本の主人公すずさんが同年代だったことと、地元呉が舞台になっていることです。主人公すずさんは江波で生まれ、18歳で呉に嫁いでいきます。本の前半では、戦時中の人々の暮らしが丁寧に描かれています。昭和18年、物資が乏しい中、様々な工夫をしながら生活を送っている様子が丹念に描かれ、現在の日常とあまり変わらない家族の様子がありました。昭和20年になると戦況は悪化し、呉も空襲を受けるようになります。激しい空襲で、すずさんは義理の姪と右手を失います。そして8月6日を迎え、呉でも閃光と巨大なきのこ雲が見られました。やがて終戦を迎え、すずさんは「うちはこんなん納得できん」「この国から正義が飛び去って行く」というモノローグに続きます。すずさんは戦争という巨大な暴力に屈したことに大きな怒りを感じ、一億総玉砕などと威勢のいいことを言っても、いざとなったら白旗をあげるご都合主義をして「この国から正義が飛び去って行く。暴力で従えとったということか。じゃけえ暴力に屈するいうことかね。それがこの国の正体かね」と表現したのでしょう。戦争という大きな影があり、人の死が身近に存在した中で、現在と変わらない家族の生活がありました。生きるということの大切さを改めて教えてくれる作品でした。

 2冊目は美甘章子心理学士が執筆した「8時15分ヒロシマで生きぬいて許す心」です。美甘さんの父親進示さんと、その父親のお話です。進示さんと彼の父親は白島で被爆しました、彼の父親は重傷で亡くなりましたが、進示さんは父親に励まされ生き残りました。進示さんは常に前向きで「原爆を落としたアメリカ人を憎むのは間違いだ。悪いのは戦争。異なる背景や信条の人たちが、お互い理解と協力ができるよう、人の助けになりなさい」と諭し続けたそうです。

 みなさんのような若い世代がこうした事実を知っておくことは大切です。広島に住む高校生として、そして将来は母親になり、次の世代に読ませ伝えて欲しいと思います。今の平和が、多くの犠牲から成り立っていることを忘れないで欲しいと思います。みなさんには、自分たちに何ができるかを考えながら生活してほしいと思います。